「スマートシティ」とは、
先端技術を使って都市や地域の機能やサービスを
より効率的かつ高度なものにし、 色々な問題を解決しつつ、
新たな価値を生み出すことを目指す持続可能な都市や地域の
ことです。
・スマートシティ官民連携プラットフォーム(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/scpf/
従来の都市計画では、建築物や道路の配置、土地の区画整理など
物理的な作りが中心でした。
そのため、時間が経っても都市の機能は大きく変わることが
少なく、住民の方が都市のシステムに合わせて生活を変えていく
形になっていました。
しかし、スマートシティの考え方はここから一転します。
人口の増減やエネルギー消費といった社会問題、
住民の価値観やニーズに合わせて、 最適な都市運営を
継続することを目指しています。
つまり、都市そのものが変化に柔軟に対応できるように
するのです。
そのためにICT(情報通信技術)が活用され、社会変化にも
しっかりと対応できるような仕組み作りが進められています。
ドイツの統計リサーチ会社スタティスタ (Statista) によれば、
世界のスマートシティ市場は2028年には1658億ドル(約24兆円)
に達すると予想されています。
これは2022年の規模の2倍以上です。
スマートシティの先端を行くのが「スーパーシティ」構想です。
スマートシティが地域の問題解決を中心とするのに対し、
スーパーシティでは生活全般にまたがる複数の分野での
先端的なサービスの提供や、データ連携が重視されます。
そして、自治体や事業者が一緒になって取り組み、
キャッシュレス決済や自動運転、遠隔医療など
最新の技術を活用し、住民が直接関わることも
大切にしています。
これらの動きを支えるためには、データを効率的に
管理・活用する仕組みが必要です。
そのために用いられるのが「都市OS」です。
都市OSとは、データを連携・活用しながら、
住民に最適化されたサービスを提供するための
ソフトウェア基盤のことです。
都市OSの概要(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/a-whitepaper3_200331.pdf
都市OSは、行政や物流、交通といった様々な領域を繋ぐための
基本ソフトウェアで、 これにより都市におけるシステム的な
共通の土台が構築されます。
そして、都市OSがあることで、
各事業者や自治体が提供するサービスや機能を自由に
組み合わせることが可能となります。
なお、都市OSを導入することによって、
少子高齢化や地方経済の疲弊、生産性の低下といった様々な
課題への対応や、 技術の発展、5Gの登場による通信の高速化、
AIの精度向上など、先端技術を活用した新たな地域サービスの
展開や社会課題の解決が期待されています。
日本政府は2025年におよそ100地域(2023年3月現在で52地域)に
都市OSを導入する目標を掲げており、 NTTデータグループや
NECも全国で取り組みを広げています。
もちろん課題もあり、都市OS導入にあたっては、
住民の個人情報が必要になるため、 データ収集の透明性を高め、
住民との丁寧な合意形成のプロセスが大切となります。
スマートシティやスーパーシティ、そして都市OSの導入によって、
我々の暮らしはどんどん便利で快適なものになりつつあります。
それぞれの都市がこれらの先端的な取り組みを進め、
住民一人一人の生活が向上する社会にしていきたいですね。