新年度に向けて、部屋探しの最盛期が到来していますが、
昨今では特に若者を中心に、賃貸物件に対するニーズが
変化しています。
賃貸市場では、宅配ボックスの設置や無料で使える
インターネットなど、新しい設備が求められるように
なっています。
不動産情報サイト「SUUMO」のデータを基に、
東京都内にある賃貸物件を調査した結果、
築3年以内の物件で、機能や設備が充実していることが
わかりました。
一人暮らし向けの築浅物件では「洗面所独立」が8割、
「コンロ2口以上」が7割の物件に備わっており、
「インターネット無料」の提供も7割に達しています。
これらの設備は、特に後からの設置が困難で、
部屋選びの大きなポイントになっています。
宅配ボックスの需要も高まっています。
築浅物件の8割以上に設置されており、
不在時でも荷物を確実に受け取ることができる
利便性が受け入れられています。
不動産情報サイト「ライフルホームズ」の調査では、
宅配ボックスを必須条件にして物件を検索する人が
6割近くに達しており、首都圏では賃貸物件の4割に
導入が広がっています。
一方、築年数が20年を超える物件も人気があり、
多くはリノベーションが施されています。
内装や設備が新築に近い状態で提供され、
築浅物件よりも割安な価格が魅力です。
特に、リノベーションされた物件に住む若者からは、
昔ながらのデザイン要素が残る部分も評価されています。
その他では、ペットを飼える物件や、
在宅勤務に適した環境を求めるニーズも増えています。
しかし、ペット可の物件は全体の2割程度にとどまり、
求める条件で物件を探すには困難を伴うことがあります。
築浅物件の中には「ペット相談可」とするものもありますが、
既存の物件でペット飼育を可能にするには、
他の居住者の同意が必要で、簡単ではありません。
賃貸市場では、供給する側も、
入居者から求められる機能や設備の充実に力を入れており、
これが築浅物件だけでなくリノベーション物件の人気にも
繋がっているようです。
特に都心部においては、
1LDK~2LDKの広い間取りに対する需要が高まっていますが
供給が追いつかず、家賃の上昇も見られます。
このように、昨今の賃貸市場では、
特定のライフスタイルに対応した物件への需要が
増加しており、これからの不動産市場はより多様な
ニーズに応える形での供給が求められていくでしょう。
物件を提供する側は、これらの変化を捉え、
入居者が求める設備やサービスに応えることが、
競争力を高める鍵となります。
今後も賃貸市場のトレンドは、社会の変化と共に
進化していくことが予想されます。
不動産業者は、このような市場の動向を理解し、
顧客に対して最適な物件を提案することが
重要になってくるでしょう。