東京都心のマンション価格が1億円を超える一方で、
国際比較すると日本の住宅価格は「割安」とされています。
経済協力開発機構(OECD)によると、収入に対する
住宅価格の比率では日本は平均を下回っており、
国際的に見ても価格は取り残されている状況です。
新築への偏重が続き、中古市場が活性化しないため、
地方を含めて空き家が増加しています。
円安傾向にある中、海外マネーは都心の物件に集中し、
この資金が中古や地方の住宅にも流入すれば、
国際標準に追随する価格上昇が見込まれます。
この流れは、個人の家計にも大きな恩恵をもたらす
可能性がありますが、そのためには中古や地方の物件に
資金を呼び込む仕組みの整備が必要です。
有識者からは、「新築志向が根強いため、
中古住宅の流通が進まない」との声があります。
OECDの報告によると、空き家率は日本が13.0%と
米国や英国よりも高く、人口1000人当たりの新築住宅の
着工数は日本が6.6戸と、米英を上回っています。
不動産経済研究所の報告によると、2023年度の東京23区の
新築マンション平均価格は1億円を超えています。
また、不動産コンサルタントの見解として、
「建物の情報がブラックボックス状態であり、
データを整え、インターネットを通じて海外からも
簡単に取引できる仕組みが必要」との指摘があります。
必要な修繕を施し、情報を開示するだけで、
海外の評価が上がると予想されています。
さらに、海外資金の流入は都心に偏る問題を解消し、
地方への分散が必要とされています。
有識者は、米国のように多数のビジネスセンターが点在し、
各地で住宅市場が活況を呈している事例を挙げ、
日本でもリモートワークの拡大を進めることで
人の流れが変わると見ています。
日本の住宅市場は国際比較で見ると、割安とされているものの
新築偏重と中古市場の非活性化が課題となっています。
海外からの資金流入や情報開示の透明化が進めば、
市場の様相は大きく変わる可能性があります。
地方を含め、国内の住宅市場全体が活性化し、
経済にとっても大きな一歩となるでしょう。