
不動産営業の属人化を解消する ‟仕組みDX” とは...

不動産営業 ‟トップ営業マン頼み” から脱却する一歩をAIで...



どれほど優秀な人材がいても、「特定の人に依存する体制」では
組織の成長は頭打ちになります。
属人化は、不動産仲介会社において特に起こりやすい課題です。
営業・契約・広告・顧客対応など、多くの業務が個人の経験や
勘に頼っており、担当者の異動や退職がそのまま“業務の空白”を
生み出してしまうことも少なくありません。
1. 属人化を防ぐ第一歩は「仕組み化」
属人化を防ぐには、個人のノウハウを組織の資産に変える
仕組みが不可欠です。
その鍵となるのが、AI・マニュアル・動画教育を組み合わせた
「見える化と標準化」
AIが情報を整理し、マニュアルでルール化し、動画で再現性を高める——
これにより、“誰がやっても同じ成果が出せる”状態を
つくることができます。
【事例①:AIチャットボットで営業対応を標準化】
首都圏の中堅仲介会社A社では、営業担当ごとに
顧客対応の内容が異なり、成約率に差が生じていました。
そこで同社は、過去の商談履歴やFAQをもとに、
ChatGPT APIを活用した営業対応AIチャットボットを導入。
トップ営業マンのトークスクリプトをAIに学習させたことで、
全員が一定水準の対応を実現しました。
結果、問い合わせ対応時間を30%削減し、
新人営業の成約率が半年でベテランの約8割水準にまで到達。
AIが“トークの型”を社内に定着させた好例です。
2. 引き継ぎを止めない「ナレッジ共有のDX」
もうひとつの属人化リスクは、業務引き継ぎの不十分さです。
手順が担当者の頭の中だけにある状態では、異動・退職のたびに
仕事が滞ります。
これを防ぐのが、ナレッジを「見える化」する仕組みです。
【事例②:SharePoint×動画マニュアルで業務を可視化】
地方都市の仲介会社B社では、営業・契約・事務処理の手順が
各担当者任せで、引き継ぎ時にトラブルが頻発していました。
同社はMicrosoft 365(SharePoint+Stream)を導入し、
主要業務を動画マニュアル化。
さらにAI検索を組み込み、「〇〇の手続き方法」と入力すれば、
該当動画とマニュアルが即座に表示されるようにしました。
これにより、引き継ぎ期間は2週間→3日に短縮。
事務作業ミスは40%減、質問対応も大幅に削減され、
社員の間で「探す時間がなくなった」と実感されるようになりました。
3. 情報が流れる会社は、意思決定も速い
DXの目的は、単にツールを導入することではなく、
情報が流れる組織をつくることにあります。
情報が止まる会社では、現場の判断が遅れ、
経営の意思決定も後手に回ります。
【事例③:PowerBI×Teamsで営業情報をリアルタイム可視化】
関西圏のフランチャイズC社では、店舗ごとの営業報告がExcelで
個別管理されており、集計作業に追われて週次会議までに
最新情報が届かない、という問題がありました。
そこで、全店舗のデータをPowerBIで自動集計し、
Teams上で共有する仕組みを構築。
各店舗の反響数・商談数・成約率をリアルタイムに可視化できるように
したところ、経営層の意思決定スピードが大幅に向上し、
全社平均の成約率も1.3倍にアップしました。
4. DX成功のポイントは「ツールより運用設計」
どの事例にも共通しているのは、ツールを入れることがゴールではなく、
“運用の仕組み”を先に設計していることです。
AIもSharePointもPowerBIも、「どう使うか」を定義しなければ成果は
出ません。
・どの情報を、どこに、誰が更新するのか
・どの判断を、AIやデータで支援するのか
・どうやって全社員に周知・活用を広げるのか
この“情報の流れ”を設計することこそが、DXの本質です。
今回のメルマガでは、「人に依存しない組織」をつくるためのDXと、
情報共有の遅れが成長を止める理由を、不動産仲介会社の事例を交えて
ご紹介しました。
属人化の解消は、単なる効率化ではなく、会社の競争力を支える基盤づくりです。
QWERTYでは、
不動産業界に特化したAI・ナレッジ共有・可視化の導入支援を通じて、
現場に根づく“チームDX”の構築をお手伝いしています。

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