商談を成功に導くスタートアップ(新興企業)の取り組みが相次いでいます。 営業支援システムのMagic Moment(マジックモーメント)は、 営業活動を記録し、見込み客に対して次にとるべき行動を提案する システムを手掛けています。 https://www.magicmoment.jp/ 予算や今期目標など成約の可能性を高める項目を一覧にし、 商談で合意できたかをチェックでき、 これまで蓄積した40万件超の営業の行動データが競争力の源泉で、 顧客は大企業を中心に多岐にわたっています。 2023年1~3月に運用を開始し夏に本格化を目指しているのが、 リモート商談の音声をリアルタイムに記録し、 重要事項の聞き忘れ防止や成功ノウハウを共有するサービス。 複数人が参加している場合はアカウントで個人を識別し音声を記録するので 重要事項を聞いたかどうか、その有無を一目で確認できるそうです。 核となるのが商談の会話を自動で文字化する機能。 商談でのよくある失敗が「聞き忘れ」。 先方の反応が良好でも、肝心な項目の詰めが甘く、契約を逃すと いうものですが、今回のサービスではこうした事態を防ぐことができます。 また、優秀な営業マンのノウハウを共有できる機能も。 結果を出す担当者は商談をどう進めているのか、 ポイントをまとめた営業記録で効率的に習得すれば、 会社全体の営業力を底上げできます。 コロナ禍で営業環境は様変わりしました。 ある顧客情報管理の調査によると、 営業を受ける側に好ましい手法についてこの2年で最も上昇したのが、 「訪問型でも非訪問型でもどちらでもいい」で、2021年末の回答は 4割弱に上ったとのこと。 リモート化に対応した手法の構築は不可欠になりつつあるといえます。 商談支援のimmedio(イメディオ)は、 ホームページの問い合わせフォームを通じて見込み客から連絡があったとき 数分以内で営業担当者との商談を確定するサービスを手掛けており、 第三者割当増資で1億5000万円を調達し、これを原資に今月から 本格展開に動き出すそうです。 https://www.immedio.io/ 一般に、連絡があってから返信までに数時間かかるとされ、 契約を逃すケースが少なくありませんが、このシステムなら記入のあった 会社規模や業種などを基に適切な担当者を速やかに検索し、 日程も確定するため、成約率を引き上げる効果が見込めます。 営業支援サービスのUPWARD(アップワード)は スマホの全地球測位システム(GPS)と顧客情報を活用して、商談時間を 自動で記録し営業活動を効率化するツールを手掛けています。 https://www.upward.jp/ クボタやダイハツ工業など300社超がサービスを導入しており、 顧客の重要度をアプリの地図上で可視化するサービスに注力しています。 商談の時間や訪問回数、頻度などを基に、アップワードが蓄積した データベースが顧客ごとに優先度を算定。 表示される円が大きいほど訪問すべき顧客となり、 営業ルート作成時の効率化はもちろん、合間に近隣の優先顧客に 足を運ぶことも可能で、時間短縮と営業力強化が両立できます。 営業職は人手不足の状況が続いており、厚生労働省によると 販売に関わる営業職(パート含む)の有効求人倍率は2022年7月で 1.85倍と、全体の1.15倍を上回っています。 少ない営業人員で成果を出す観点からも デジタル技術の一層の活用は欠かせないのではないでしょうか? 自動化できることと人間ではないとできないことを切り分けて 効率を高めることが大切ですね。