チャットGPTをはじめとする「生成AI」のニュースが連日話題ですが、
今回は、ウェブ会議システムを提供する企業が人工知能(AI)などを
活用し新機能を拡充していることにも注目が集まっています。
これまでも会議中に使えるチャット機能やファイル共有などの機能は
ありましたが、補助的な位置づけにとどまっていました。
最近では各社とも新技術を組み合わせ、ウェブ会議そのものの価値を
高められるサービス強化を急いでいます。
ウェブ会議システム「ZOOM(ズーム)」では、
営業担当者のセールストークをAIが分析し、より効果的に発言できる
ように助言する営業支援サービスを提供しています。
新サービスではズームを使った打ち合わせの中で、営業担当者が話した
内容を自動で文字起こしをしてAIが分析し、コーチの役割を担います。
文脈などから直すべき箇所をAIが自動で抽出し、質問の仕方などについて
改善を促します。
また、音声のトーンなどから、一つ一つの会話をもとに、
「本題に入る前のアイスブレーク(雑談)が長すぎます」
「もう少し間をあけてゆっくり話しましょう」など、
どうやって適切な長さや速度に保つかについても助言します。
さらに、会話の中で相手の顧客企業が競合他社や特定の専門技術に
ついて言及した際には、その要素を抽出して記録し、次に営業する際の
重要なキーワードとして担当者に指摘します。
シスコ社が提供する「Webex(ウェブエックス)」は会議中に
簡単にアンケートや投票ができる機能を標準搭載しています。
質問に対して参加者の回答を一覧表示したり、投票結果をグラフに
したりすることも可能で、大人数の会議や説明会でも、双方向の
やり取りを実現しやすくなります。
会議中に文字起こしした中からリアルタイムで重要な部分をクリック
するだけで、要約を作成。
議事録だけでは会議後にどこが重要だったのか探しにくいですが、
ハイライトにより、会議後にすぐ要点を再確認することも可能です。
また、複数のウェブ会議ツールが共通して力を入れるのが
同時翻訳機能です。
ウェブ上で相手や自分が話した声を文字起こしした上で、
リアルタイムで翻訳し、字幕として画面の下に表示する。
マイクロソフト社の「Teams(チームズ)」では、英語や日本語、
中国語など30以上の言語に翻訳が可能。
将来的に議事録の自動作成機能と統合する予定で、海外の担当者との
外国語のやりとりを、会議後に確認したり、他の人に共有したりする
のも日本語でできるようになります。
文書などを保存するクラウドサービスで、世界中に顧客基盤を持つ
グーグルやマイクロソフトはウェブ会議ツールとの連動を進めています。
グーグルは文書作成ソフト「グーグルドキュメント」や表計算ソフト
「スプレッドシート」上のボタンから直接、グーグルミートでウェブ会議
ができるようにしています。
作業したいファイル上に会議の参加者の映像が表示され、ファイルを事前に
共有しておけば、グーグルミートと別々に開く必要がなく、手軽に会議と
作業を両立でき利便性が高まります。
チームズでは会議中にプレゼンテーションソフト「パワーポイント」を
表示する際に、発表者の顔の表情や身ぶりもパワポ上に投影できます。
ウェブ会議でも対面のような臨場感を持たせることにつながり、
将来的にはアバター(分身)で会議に参加できるようになることも
想定されています。
いかがでしたでしょうか?
ウェブ会議システムは、営業活動にも効率的に活用できる
優れたツールとなっています。
活用することで業務の効率化や時間・コストの削減にもつながりますね。