目まぐるしいテクノロジーの進歩の中でも、 昨今大きく注目されているのが「GPU」 (Graphics Processing Unit:グラフィックス処理ユニット) というものです。 このGPUは、もともとはゲームの高度な グラフィックスを描くために開発された技術で、 コンピュータの中で画像を扱う部分を担当し、 日々私たちの生活に影響を与えています。 一方で、よく耳にする「CPU」 (Central Processing Unit:中央処理装置) という言葉があります。 これはコンピュータの中央で、全ての計算やデータ処理を 担当しています。 ここで、CPUとGPUの大きな違いは、 一度にどれだけの作業をするか、という部分です。 CPUは一つ一つの作業を丁寧にこなしますが、一方でGPUは たくさんの作業を同時に処理することが得意なんです。 この高い処理速度が、GPUをAI(人工知能)の研究開発や ビッグデータ解析などの領域において欠かせない存在に しています。 大量のデータを同時に処理する能力が求められるこれらの 分野では、高速なGPUが活躍する場となっています。 半導体業界の歴史を振り返ると、 初期の段階ではPC(パーソナルコンピュータ) 向けの製品を作る「インテル」が主流でした。 しかしその後、スマートフォンの普及に伴い 「アップル」や「クアルコム」が主導権を握り、 そして現在ではAIの時代となり、 GPUの主要メーカー「エヌビディア」は、 人工知能チップのシェアを支配し、 自動運転システムの開発も手掛ける「半導体の覇者」 ともいえる存在となっています。 しかし、GPUや半導体技術には「消費電力」という課題も。 処理速度が上がると、それに伴って消費電力が大きく増加 するため、環境問題を引き起こす可能性があり、 技術の進歩とともに新たな課題となっています。 今後もこのような半導体技術の進歩は、私たちの生活や ビジネス環境を大きく左右していくでしょう。 特にAIの可能性をさらに引き出すためには、 エヌビディアを始めとする半導体メーカーの動向から 目が離せません。