最新の建築技術が、住宅の世界に革命をもたらしています。
3Dプリンターを駆使して生み出された住宅は
新しい住まいの選択肢として、ますます注目を
集めています。
建設スタートアップ
(社会にイノベーションを生みだすことで、
起業から短期間で急成長を遂げる企業)の
セレンディクス(兵庫県西宮市)が、日本初となる
2人暮らし用の3Dプリンター住宅が完成したと
発表しました。
製品名は「serendix(セレンディクス)50」
施工時間は目標としていた丸二日よりも短く、
わずか44時間30分とのこと。
バス・トイレを備えた1LDKの平屋建てで、
延べ面積は50平方メートル、高さは最大4メートル。
鉄骨と鉄筋コンクリートで作られ、
耐火性・耐水性・断熱性を備えています。
3Dプリンターがセメントを少しずつ積み上げ、
作った壁をクレーンで重ね合わせるため、
丸みを帯びた独特なデザインが特徴です。
22年3月に竣工した、
「serendix(セレンディクス)10」は、
同年10月に6棟が完売。
わずか1日で完成した建物には水回りの設備は
備わっておらず、生活には向いていませんでしたが、
還暦を迎えた高齢の夫婦世帯から、実際に生活する
ことを想定した住宅を望む声が寄せられ、今回の開発に
至ったとのことです。
概要設計は慶応義塾大学KGRI
環デザイン&デジタルマニュファクチャリング
創造センター、構造設計はKAPが担当。
立尾電設(熊本県)など複数の会社と共同で施工しました。
「セレンディクス50」は愛知県小牧市に
建てられました。
販売予定価格は550万円と破格の設定で、
限定6棟の先行販売が計画されています。
近年、建築資材や地価の高騰により、
日本で家を持つハードルは上がっています。
セレンディクスは、3Dプリンター住宅の価格を
一般的な住宅の10分の1程度に抑え、住宅ローンの
負担を軽減し、これまで家を持つことが叶わなかった
層にも住宅を提供できるようにしました。
同社COOの飯田國大氏は
「今までの家はオートクチュール(職人依存)
であり、数千万円とコストが高いのは当たり前」
と指摘。
住宅産業をロボット化することにより、
住宅を持つ決断を下しにくい現状を変えたいと
決意を込めました。
いかがでしたでしょうか?
3Dプリンターによる住宅建築が、
効率的で手頃な価格で住宅を提供する
新たな可能性を切り拓いています。
今後の展開がますます期待される一方で、
住まいにおける未来が明るく感じられるようなアイデアを
私たち不動産関係者も生み出していきたいですね。