AIエージェントとは、ユーザーの指示や目的に応じて、
必要な情報を収集・整理し、業務を自律的に実行する
“対話型の知的システム”です。  

従来のチャットボットのような単純なFAQ応答にとどまらず、
CRMや物件データベースなど複数の業務システムと連携し、
あたかも「デジタル社員」や「24時間稼働するAI秘書」のように
業務をサポートします。


近年では、不動産業界でもこのAIエージェントの活用が進み、
実際の業務効率化やサービス向上に寄与しています。


すでに実用化されているAIエージェントの事例をいくつか紹介します。



■ SREホールディングス株式会社（旧ソニー不動産）
- AIを活用した不動産売買仲介プラットフォームを開発。
　投資用ワンルームマンションの売り手と買い手を自動マッチング。
- 顧客対応から分析、提案までを一貫してAIがサポート。

参考記事：
https://ac.sre-group.co.jp/work



■ CHINTAIエージェント（株式会社CHINTAI）
- LINE公式アカウントを通じて、ユーザーがいくつかの質問に
　答えるだけで、AIが条件に合う物件を自動提案。
- スマホから手軽にやり取りできるため、ユーザー満足度が高く、
　営業現場の負荷軽減にも効果。

参考記事：
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000003782.html


■ スミカ（sumika）
- LINEでのチャットから希望条件を取得し、
　AIが条件に合う賃貸物件を提案。
- 賃貸検索が面倒なユーザーに向けた“おまかせ型”の
　提案スタイルが特徴で、問い合わせ・マッチングの効率が大幅向上。

参考記事：
https://corp.sumika.live/




つづいて、不動産仲介業務においてAIエージェントがどのように
活用できるのかを4つのカテゴリに分けて紹介します。


1. 【物件提案のパーソナライズ自動化】

- 顧客の希望条件を自然言語でヒアリング  
- 条件に合致した物件を社内データベースから抽出  
- 提案資料を自動作成し、メールやLINEで送信

例：ヒアリング→「ペット可・2LDK・家賃15万円以下」
　→物件抽出＆自動送信までAIで完結。


2. 【問い合わせ対応の24時間自動化】

- 「空室ですか？」「初期費用は？」といったよくある
　問い合わせをAIがリアルタイムで対応  
- 空室状況や内見予約枠のチェックもAIで実施  
- 営業時間外の対応や休日の問い合わせにも対応可能

結果として「取りこぼしのない接客体制」を実現します。


3. 【社内業務の効率化・自動化】

- 社内マニュアルや物件資料の場所を質問すればAIが即回答  
- 日次・月次レポートの自動生成  
- 物件登録の自動化や価格変更通知などのRPA的業務も担える

事務作業の時間が大幅に削減され、本来の接客・提案業務に
集中できます。


4. 【内見・契約プロセスのサポート】

- オンライン内見時の補足説明をAIがチャットで対応  
- 契約ステップのナビゲート、書類の用語解説などもAIが対応  
- 地図案内や入居までの手順説明など、来店不要のサポートが可能に

“人がやるべきこと”と“AIが代行できること”を明確に分けることで、
よりスマートな営業スタイルが実現できます。



人とAIが協働する時代へ

不動産仲介業は、細やかな対応が求められる一方で、
定型的な繰り返し業務も多く存在します。  
AIエージェントがその一部を引き受けることで、
営業担当者は「人と向き合う時間」「判断が必要な場面」に
集中することができます。


「人間ならではの強み」と「AIの得意分野」を組み合わせることで、
より価値のある不動産サービスが提供できる時代が、すでに始まっています。