北九州空港を本拠地とする航空会社スターフライヤーが、 福岡県内の賃貸住宅と東京―福岡間の航空券をセットにした サブスクリプション(定額課金)サービスを、2023年春までに開始すると発表しました。 これは、マンションや一軒家の家賃と、北九州空港と羽田空港の往復航空券を セットにしたサブスクを23年春までに始めるというもので、早ければ22年内に サービス概要を発表したいとのことです。 リモートワークの多い首都圏の会社員に福岡への移住を促すのが狙いで、 飛行機は原則乗り放題とし、新型コロナウイルス禍で下がった搭乗率の 回復につなげる目論見です。 想定利用者は「東京の賃貸マンションに家族で住んでいる会社員」で、 月額料金は「東京23区の家族向けマンションの家賃と同水準にしたい」とのこと。 家族で福岡の物件に移住してもらい、仕事などで必要なときはいつでも 東京に飛べるようにし、「東京とほぼ同じ家賃で、東京より広い福岡の家に暮らせる上に 飛行機に乗り放題となれば、利用者の満足度も高まる」 と見込んでいます。 利用者に対しては、スターフライヤーの法人会員と同じように 会員専用ページにアクセスすることで、航空券を予約できますが、 乗り放題の期間に年末年始などの繁忙期を含めるかは検討中とのこと。 また、福岡空港と羽田空港を結ぶ航空券と家賃がセットのサブスクも検討中で、 福岡市は大企業の支社・支店が多く、単身赴任者向けの法人需要も見込んでいます。 航空会社の損益分岐点の目安は搭乗率70%程度とされており、 リモートワークの定着により、ビジネス出張需要はコロナ禍以前と同じ水準に 戻らない可能性が高いと見られていて、最終損益を黒字化するには、 ビジネス以外の需要開拓が欠かせないため、サブスクでコロナ禍後の地方移住需要を 取り込むのが狙いです。 なかなか興味深い取り組みで、動向に注目したいのですが、 同じようなビジネスモデルで、鉄道会社などでも展開できるサービスかと思いました。 人々の暮らしの価値観が急激に変化している昨今、 柔軟な発想で自社の強みを生かしたビジネスを展開することが 改めて大事だと感じました。