不動産業界では正確な売却価格を査定するために、一般的には 現地を訪問して物件状況や周囲の生活環境を調査します。 相場価格のほか、過去の類似物件の取引価格を手作業で調べて 算出するため、これまでは手間と時間がかかっていました。 SREホールディングス社は、そこに目を付け、人工知能(AI)による 査定システムに需要があると考え、適正な不動産の売買価格をAIで 素早く査定するシステムを手掛けました。 https://sre-realestate.com/uri/mansion/ これはマンション売却の推定価格相場や高額ランキングを、 AI技術を駆使して開発した不動産の価格推定エンジンが都道府県別、 市区町村別、駅・沿線別に算出するシステムで、 マンションごとの推定価格や詳細な情報も確認することができます。 ※推定価格データは原則1か月毎に更新されます。 周辺の相場データ以外にも、協力してくれる顧客企業から成約価格の データを提供してもらい、機械学習でAIの精度を高めています。 同社の調査では、AIによる査定価格と実際の成約価格を比べた誤差率は 4%程度。 人が判断した時の誤差率は7~8%程度で、AIの方が適正な価格を算出 できているそう。 日本経済新聞社が売上高300億円以下の中堅上場企業「NEXT Company」 を対象に行った2022年4~9月期の前年同期比の増収率ランキングで 同社は1位に。 デジタル化が遅れている不動産業界のデジタルトランスフォーメーション (DX)の機運を捉えたことで、不動産の価格をAIで査定するシステムの 契約数が増加し、2022年4~9月期の連結売上高は前年同期比91%増の 65億円と大幅に伸びました。 AI査定を使えば、わずか10分程度で査定書の作成まで終わるため、 人手不足のなか業務の効率化ができる点が支持されて、 9月末時点で契約社数は2,509社と1年前から7割増加。 解約率も0.6%にとどまっています。 消費者側にもメリットが。 不動産を売りたい時に情報が不足し適正な価格の判断がつかず、 買い手優位な状況も多いのですが、AI査定で作成した査定書には 解析データが記載され、消費者も客観的に適正価格を知ることができます。 同社では、培った技術を応用し、証券会社向けのAIシステムも開発。 証券会社の顧客の住所から不動産価格を推定。 過去の証券取引データと組み合わせて潜在的な富裕層を見つけ、 金融商品の提案につなげています。 不動産業界は対面や書面の契約を重視する商習慣から、DXが遅れて きましたが、2022年5月に改正宅建業法が施行され不動産取引の電子契約 が解禁されたことを機に、デジタル化の波が訪れました。 矢野経済研究所によると、不動産テック市場は25年度に1兆2461億円と 20年度の2倍に膨らむと予想されています。 QWERTYでは、業務効率化に関する様々なご相談に迅速かつ柔軟に 対応致します。 お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください!